「新世界より」を聴きました
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
指揮:上岡敏之
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
さかのぼること約9ヶ月前のこと、ドラマティカACT2を観た私には、ある悩みがありました。
公演の中で流れていたあの音楽、どこかで聴いたことがあると思うんだけど、どうしても思い出せない……!地味に悔しい……!
一向に謎が解ける気配がなかったので、SNSを頼りました。
すると、ある方が「この曲のこれだよ」と教えてくださっているではありませんか!
心の中で手を合わせつつも、次の瞬間には、「ぜひともこの曲をフルで聴いてみたい!あわよくばCDをお迎えしたい!」という思いが沸き上がっていました。
そんな都合のいいことが起きるわけがないだろうと笑いながら、とりあえず、ダメ元でGoogle先生にお尋ねしてみて……そうして出会ったのが、このCDでした。
「新日本フィルハーモニー交響楽団」……この文字を見た時は、思わず自分の目を疑いました。
あ、あの、私、「テイルズオブレジェンディア」の音楽が好きで……特に「melfes~輝ける青」が大好きで……、確か、その曲を演奏しているのが、新日本フィルハーモニー交響楽団さんなんです!!
大げさに聞こえるかもしれませんが、私は、「melfes~輝ける青」を聴いて、生まれて初めて、音楽の中に「生命」を感じました。
私にとっては、「神曲」なんて言葉が安っぽく感じられるくらい……それくらい思い入れのある、大切な曲なんです。
正直なところ、最初は、「クラシック音楽のことはよく知らないし、『新世界より』のCDをお迎えできればそれでいいや」くらいに思っていました。それが……ここに来て、まさかの再会……!!
さて、CDが自宅に届いてから更に数ヶ月の後、ようやく音楽を聴けるくらいの時間がとれたので、聴いてみました。
まず、ティンパニ?の音の力強さに驚きました。
ああいう太鼓系の楽器って、動画とかだと、「ドム……ドム……」みたいな、存在感のないつぶれた音になってしまうものと思い込んでいたのですが、このCDのティンパニは「バゴォン!!バゴォン!!」って感じでした。
奏者の方がすごいのか、録音の技術がすごいのか、コンサート会場の仕組みがすごいのか、そこら辺のことは私には全く分かりませんけども、とにかくあのティンパニの力強さに、いちばん最初に心を掴まれました。
次に、第2楽章……ここでも驚きました。
この曲、「遠き山に日は落ちて」だ!!小学生の頃に習ったやつだ!!ってなりました。
「遠き山に日は落ちて」……、そうだったのね……、あなたは、あの「Jupiter」と似た境遇の子だったのね……。
個人的には、この曲を聴いていると、炎ではなく、船のイメージが思い浮かびます。
黄昏の海をゆっくりと航海する、まあまあ大きめの、ファンタジックなこげ茶色の船のイメージ……。
第3楽章は、かわいい子ヤギがぴょこぴょこと跳びまわっているみたいで、とても好きでした。
子ヤギだけじゃなくて、たまに貫禄のある大人のヤギが登場するような感じも好きでした。
そして……、件の第4楽章……。
うわあああ、これですよ、これこれ!!
本当にすごい……すっっっごい迫力……かあっこいい……!!
なんとなくですが、「カリスマ」という言葉がこの上なく似合う曲だなって思いました。
「迫力」……「カリスマ」……。
なるほど、これは確かに、ドラマティカACT2の「彼」にぴったりです。
第4楽章の中に、カリスマ的な美しさだけが単独で存在しているのではなく、黄昏の中を行く船や、かわいい子ヤギの雰囲気がチラチラと見え隠れするところも、「彼」に重なりました。
今の世の中に対して冷徹な眼差しを向けるばかりではなくて、なんだかんだ言いながらも、好きな人のそばにいられて、少しは楽しかったんだろうなあ……、その葛藤の全部を背負い込んだ上で、自分の理想を正面から睨みつけているんだろうなあ……みたいな……。
ああ、ドラマティカACT2のDVD、まだ観れてないんだよなあ……はやく観たいなあ……。
私の中のややヨコシマな好奇心をものの見事に揺さぶり起こし、巡り巡って、様々な想いを結びなおしてくれた、「新世界より」という作品。
非常によき出会いとなりました。よかったです。
Thanks for your time!